BPDの定義から見た就労の可否
2025/10/06
O・カンバーグによれば、「BPDを有する人の特徴は、第一に自我の脆弱性にあり、それは不安体制の低さ、衝動制御の悪さ、昇華経路の欠如などで示される。第二の特徴は、スプリッティングや投影同一化に代表される原始的心的防衛機制が優勢であることである。それゆえ、BPDを有する人たちは、慢性的で漠然とした不安や空虚感が持続し、それを防衛するために汎神経症状、嗜癖や倒錯、軽躁、妄想などが認められることがある。」
就労で問題とされるのは、いつもBPDと言われる上記の症状が起きているとは限らないということである。なぜか安定している、そんな時期もあるのだ。治療者が目を離したと感じたときにBPDの患者さんはリストカットするように、会社において新人時の「ハネムーン期間」が終わった瞬間に、問題行動を多々起こすことも考えられる。
というか、今までに社内で散見された。
MSADという大規模転帰研究(精神疾患の方がその後どうなったのかの研究)では、「BPD患者は、治療を受けた大半が症状は寛解していたが、社会機能の向上は芳しくなかった。」とあった。また、「彼らの社会機能の低下は最初の二年間に起こり、また親密な人間関係を維持するよりも、フルタイムの就労を維持することのほうがより困難である」ことが示された。
以上のことから考えると、BPDの方は、
①未治療ならば治療を優先させる。(精神病を精神疾患にする)
②治療中ならば、就労よりも、パートナーなど親密な人間関係の構築を優先させる(精神疾患を精神障がいにする)
③その上で、障がい者雇用によって、週20時間のトライアル雇用から始める(精神障がいをメンタルヘルスにする)
④半年後に週30時間に増やして、そこからフルタイム(週40または44時間)の雇用を目指す(メンタルヘルスをウェルビーイングにする)
という段階をたどる必要があるだろう。結論は、BPDの方の場合は、親密な人間関係の構築ができていないときは、そちらを優先してもらうべきだということだ。
さもないと、上司や事業主が「親密な人間」と、投影同一化をされてしまい、のっぴきならない事態にもなりかねないだろう。
1人でも多くの精神に障がいをお持ちの方に(他社では採用されない方に)就労を通して、ウェルビーイングを目指してもらう「精神障がいのバリアフリー化」が弊社のミッションだ。
それゆえに、就労可能かギリギリの方を採用していく必要があるが、医学上の知識を踏まえないのは、ただの蛮勇であると言えるだろう。
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