たまねぎをむけると、そこはたまねぎだった。目の底が白く光っていた。
2025/12/10
国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だが、玉ねぎをむいても、そこは玉ねぎであり、目の底が涙で白く光るだけだ。
クレペリンは「同じ原因、同じ心理的基本型、同じ展開と経過、同じ転帰、同じ脳所見を持つ病像は、すなわち全体像として一致し」とあるが、ヤスパースは、「疾患単位という理念は一つ一つの例では実現させることはできない。なぜかというと同じ原因と、同じ症状と、同じ経過や転帰と、同じ脳所見が規則正しく一致するということを知るには一つ一つの細かい関連を完全に知り尽くしていることを前提とするが、こういうことは無限に遠い未来のことに属する」といっていた。
要するに、玉ねぎを剥いたら、また玉ねぎが出てきて、それをむいてむいてむいたら、ついには何もなくなり、ただ涙がとめどなく出ただけだった。ということだろう。
しかしまた、「疾患単位の理念は、実際はカントの意味の理念で、すなわち目的が無限のところにあるのでその目標に到達することが不可能であるような課題という概念である。しかしそれにもかかわらずこの理念はわれわれに成果の上がる研究方向を示し、経験的に個々の例を研究する時に本当の見当をつけさせる」
ヤスパースは、カントを引用していたが、アリストテレスも同じことを言っていた。だから、精神病理学は、「病」の分類ではなく、「類」(Gattung)という概念を適用するそうだ。
要するに、精神病には器質的な変化がないのだから、百聞は一見に如かずの一見、論より証拠の証拠がそもそもないのだ。その中で、何かを見つけるのは、もはや宗教しかないと思う。
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